巣鴨の教育「硬教育」

学校長挨拶

少年はあたかも、夏の大空に白い入道雲がむくむくと盛り上がり、力強く、高く、大きく、激しく活動しながら拡がっていく姿に似ております。行く末どんな形となり、どれだけの働きをし、どのように社会に影響を及ぼすまでに成長していくかは、確かには、今は誰にもわかりません。ただ、少年が将来成長して一人前の人間になり、何かをなし得る可能性をその中身に充分持っているということだけは、誰しも疑っておりません。然しながら、人間の可能性はあくまで可能性であり、雀の雛が教えられなくても大きくなって、雀の巣を作ることができるという固定した可能性とは大いに違います。人間の場合は学習と努力とその継続とがなければ、可能性は何一つ実現しません。そのかわり、人間はどんな巣でも作ることができるのです。可能性を信ずることは、従って、常に工夫をこらし、自己を見つめ、何を取り去り、何をどのように助長し、何をどれだけ付け加えねばならないかを発見する努力が必要であります。 そこからは、将来必ず美しい花が咲き、価値ある実りが得られるに違いないと信じています。巣鴨学園はすべての生徒に、あらゆる価値の可能性を期待する男子中等教育の学園として、私塾巣園学舎創立以来、現在に至るまで一貫して100年の伝統を維持する意欲的な学園であります。

理事長・校長 堀内不二夫